2012年8月3日金曜日

中屋敷法仁「露出狂」

2012年7月30日 19時開演 渋谷パルコ劇場
作・演出:中屋敷法仁
出演:江本時生、遠藤要、入野自由、玉置礼央、畑中しんじろう、磯村洋祐、板橋瞬谷、稲葉友、孔大維、遠山悠介、長島敬三、松田凌、間宮祥太朗、森崎ウィン
中屋敷法仁演出作品を見るのはこれで2回目ですが、早くも飽きました。ダイヤローグ、モノローグの区別なく、短いセンテンスを早口でしゃべりまくる。衣装は、ユニフォームのようにみんな同じ学生服で、誰が誰だか区別がつきにくい。何かに似ているなあと考えたら、AKB48でした。AKBも同じ衣装で、魅力を感じて中に入り込めば、大島優子だの前田敦子だの区別がつきますが、興味がなくて遠目から見たら誰が誰だか見分けるのは難しいです。今回も学生服で喋りまくられて、見分けがつかない中、一人目立っていたのは、柄本時生でした。「黄色い月」の時はわざとらしく耳障りだった台詞回しが、画一的なしゃべりの中では、魅力的に聞こえます。画一的なかっこよさや、安直な動きの中では、ださい独特な仕草が、とても新鮮に見えます。
柄本時生がうまいのは、自分とそのほかの画一的な役者達とを対立構造に持っていかず、あくまでマイペースで芝居を進めていくところです。それにより、画一の海でふわふわ浮いているように見え、他の役者が柄本を押し上げているように見えます。柄本家の血筋のなせる技でしょうか。
中屋敷演出の魅力は、そのスピードで観客を巻き込み、テーマをぶちこわしていく爽快感にあると思います。前回の「女人マクベス」では、その対象がシェークスピアのマクベスでであったわけで、あの大家の大作を清水もこみちもかくやと思えるスピードであらみじんに切り刻み、新しい料理のように見せました。今回の料理は失敗だと思います。もしくは、私が、その味付けに飽きただけでしょうか。
この芝居を見る前に、9月の「柿食う客」公演のチケットを予約してしまいました。
少し後悔しています。

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